12月 28 2017
年末年始の業務について
本日(12/28)の18時をもって本年の業務は終了となります。今年1年ありがとうございました。
当事務所の年末年始は下記のような予定となっており,当該期間中にいただいたお問い合わせにつきましては,1/4に回答させていただきます。
平成29年12月28日18時まで 通常業務
平成29年12月28日18時から平成30年1月4日午前9時まで お休み
平成30年1月4日午前9時から 通常業務
それでは皆様,良いお年をお迎えください<(_ _)>

12月 28 2017
本日(12/28)の18時をもって本年の業務は終了となります。今年1年ありがとうございました。
当事務所の年末年始は下記のような予定となっており,当該期間中にいただいたお問い合わせにつきましては,1/4に回答させていただきます。
平成29年12月28日18時まで 通常業務
平成29年12月28日18時から平成30年1月4日午前9時まで お休み
平成30年1月4日午前9時から 通常業務
それでは皆様,良いお年をお迎えください<(_ _)>
11月 22 2017
土地や建物の明渡しの強制執行を何度か行っておりますが,これまではすべて断行まで行って明け渡しを終えていましたが,今回は無事断行前に明渡しが完了しました。
そもそも,明渡の強制執行は,
明渡の催告
↓
明渡し猶予期間(約1か月)
↓
明渡しの断行(強制退去)
↓
目的外不動産の処分
という流れになります。
したがって,明渡の強制執行と言っても,借主はいきなり強制的に明け渡しをしなければならないのではなく,明け渡しを催告してから1か月程度の猶予時間がありますのでその間に自ら退去してくれれば業者が室内に立ち入って強制的に追い出されることはありません。また,借主自ら荷物を持っていけますので,強制的に荷物を処分されることもありません。
そしてこれは大家さん側にとってもメリットが盛りだくさんです。
仮に断行となった場合,室内の荷物を運び出すための業者さんの費用がかかりますし,その荷物を保管しておく倉庫を用意する必要もあります。加えて,残された動産の処分費用もかかりますので,安くても10万円以上,通常は数十万円レベルでかかると思います。特に住居ではなく店舗の場合は,室内の動産の量が多いうえ,特殊なもの(専用の液体や機械など)があったりするのですべての費用が跳ね上がります。
今回の事件も商売をされていたことから処分費用や倉庫の費用だけで100万円前後の費用がかかるところでしたので,断行まで行かず本当に良かったです。
なお,法的には上記の業者の費用や倉庫の費用,そして処分費用もすべて借主が負担すべきものです。しかしながら,家賃を払えずに退去を求める場合,借主は現実的には支払うことはできませんのでまずは大家さんが立て替えるしかありません。もちろん,その後に借主に請求して回収することになりますが,なかなか難しいのが現状です。
ということで,諸々の費用を考えると,断行まで行かないのは本当に助かります。ただ,本来であれば強制執行の前の訴訟の段階,さらには訴訟前の任意の話し合いの段階で退去していただけるのがベストなんですけどね。
10月 12 2017
司法書士は,登記を扱う業務を行っており,当事務所でも会社や法人に関する商業・法人登記を行っております。
債権回収とは直接関係ありませんが,結構重要なお話なので記事を書きたいと思います。
株式会社の場合は,取締役等の役員の任期が最長で10年と定められており,かつ,役員変更等があったときから2週間以内に登記申請をしなければならないこととなっております。同様に,一般社団法人等については,任期が2年となっております。
とすると,少し余裕をみて株式会社であれば12年,一般社団法人等であれば5年もの間,何も登記がされていないとなると会社として存続していない可能性が高くなるため,強制的に会社が解散されてしまうこととなっております。なお,あくまで株式会社及び一般社団法人等に限った話ですので,(特例)有限会社,合同会社,合名会社,合資会社等,株式会社や一般社団法人等以外の会社や法人に関してはまったく関係ありません。というのは,これらの会社は任期を定めなくても良いこととなっているため,会社が運営されていても20年以上,登記がされないことも十分にあり得るためです。
この強制的な解散は,随時行っているものではなく,年に1回公告をしたうえで毎年行っております。この公告が本日であり,2ヶ月後の平成29年12月13日に強制的に解散させられることになります。
もし上記の条件に当てはまる場合で,かつ会社を存続させたい場合は管轄の法務局に対して「まだ事業を廃止していない」旨の届出を出すか,何らかの登記申請をすれば会社がまだ存続していることが分かりますので勝手に解散させられることはありません。
なお,仮に解散させられたとしても,事後的に「会社継続」の登記を行うことで復活させることもできますが,その分の登記費用がかかってしまいますので,対象になっている場合は早急に手続を行った方が良いかと思います。
→ 平成29年度の休眠会社等の整理作業(みなし解散)について(法務省)
→ 休眠会社・休眠一般法人の整理作業の実施について(法務省)
→ 官報公告
7月 11 2017
貸金請求などで訴訟をしたり裁判上で和解が成立した場合には判決書や和解調書が作成され,これらの書類があれば相手の財産を強制的に差し押さえて現金化して,回収を図ることとなります。
この差し押さえの対象となる財産として,確実かつ早期に回収できるのが預貯金です。もちろん,口座にお金が入っていなければ空振りに終わってしまうのですが,お金が入っていれば金融機関が支払いを拒否することは通常あり得ませんので,比較的早期に回収することができます(※)。
※動産執行は現実的に換価できる財産が見つかるケースはほとんどなく,不動産執行は回収の可能性はかなり高いですが,手続完了まで1年近くにかかることがあります。
預貯金のように目に見えない権利を差し押さえる手続が「債権執行」であり,預貯金以外にも給与や売掛金などを差し押さえる手続もあるため,差し押さえ手続の中で一番多く使われる手続が債権執行だと思います。
さて,この債権執行に限らず,基本的にすべての強制執行手続は地方裁判所の手続であるため,私ども司法書士では代理することができず,書面を作成することができるのみとなります(もっとも,差押手続は最初の書類作成がほぼすべてなので,基本的には書類作成だけで問題なく手続を終えることができます。)。
この債権執行のうち,簡易裁判所における「少額訴訟」の判決に基づく債権執行(これを「少額訴訟債権執行」といいます。)に限り,簡易裁判所で債権執行の手続を行うこともできるとされているため,私ども司法書士も代理人として債権執行を行うことができます。とはいえ,なかなか少額訴訟を選択しない(※)ため少額訴訟債権執行を行うことも無かったのですが,先日ご依頼を受けた事件が少額訴訟債権執行ができる手続だったため進めてみました。
※少額訴訟は,証拠の提出が制限されていたり,被告の異議が出たり,勝手に遅延損害金の免除や分割払いの判決になるなど原告にとって不利益なことがあるため,あまり選択しません。
手続を進めた感想としては,正直なところ通常の債権執行と手続自体はほぼ変わらず,手続を行うのが地方裁判所か簡易裁判所(正確には裁判所書記官)かの違いくらいしかないため,一般の方にとって手続しやすいものかと聞かれると決して手続しやすいものではないかと思います。手続費用も通常の債権執行と変わらないため,金銭的なメリットもありませんでした。
ということで,敢えて少額訴訟債権執行を進めるメリットはあまりないかと思いますので,次の機会は無いような気がします・・・。
6月 22 2017
借金に関する契約書については特に形式が決まっているわけではありませんので,自分で手書きで作成しても良いですし,文房具屋さんなどに売っている定型のものを使っても大丈夫です。
この点,借金に限らず,お金の支払いに関する書面を公証役場にて作成し,執行認諾文言を入れることで,裁判をしなくてもいきなり強制執行ができるような書面が出来上がります。この書面は,一般的に「執行証書」や「執行認諾文言付公正証書」などと呼ばれています。ちなみに,上記の「執行認諾文言」とは,文字どおり「強制執行されることを承諾します」という趣旨の文章が書かれているものとなり,たとえ公正証書で金銭消費貸借契約書などを作成したとしても,執行認諾文言が入っていなければ強制執行はできません。
このような,執行証書は債権者としてはかなり便利な書類ではありますが,実は金銭の支払い(その他代替物など)に関するものしか強制執行ができません(民事執行法第22条5号)。
例えば,建物の明け渡しだったり,物の引き渡しだったり,登記手続への協力だったりといった金銭の支払い等に関するもの以外は公正証書で合意書などを作成してもその公正証書では強制執行ができず,改めて訴訟を提起し,主張や証拠として提出して裁判所から判決をもらったうえで,やっと強制執行にたどり着くことになります。
建物の明け渡しなどでは,「本来はすぐに退去してもらえるけど,○月までに全額を支払えば,その後も住んで良いですよ。ただし,支払いが遅れた場合にはすぐに出て行ってくださいね。」というような話し合いが成立することはよくありますが,上記のとおり公正証書で合意しても明渡の強制執行はできませんし,かといって,和解をするために訴訟を提起するのも何かおかしな話です。
そのようなときのために訴え提起前の和解(即決和解)という制度があります(民事訴訟法275条)。
今年に入って半分近くが経過していますが,先日とある裁判所に即決和解の申立てをしたところ事件番号が第1号でしたのであまり使われていない制度かと思われることから,今回は即決和解についてまとめておきたいと思います。
1 和解が成立していること
当たり前ですが,当事者間で和解(話し合い)が成立していることが必要です。話し合いが決裂しているのであれば訴訟や調停を行うこととなります。
2 当事者が裁判所に出頭できること
書面による和解ができないことになっておりますので,当事者が裁判所に出頭する必要がありますが,裁判所の許可があれば親族などが代理人として出頭することも可能です。もちろん,弁護士や司法書士(ただし,140万円以下)を代理人とすることも可能です。
公正証書の作成や訴訟などの法的手続と比較した場合の即決和解のメリット・デメリットを記載いたします。
1 金銭の支払以外についても強制執行が可能
上記のとおり,執行証書では金銭の支払いに関するもののみ強制執行が可能ですが,即決和解では金銭の支払以外に関しても強制執行が可能です。もちろん,金銭の支払に関するものも可能です。
2 公正証書よりは時間がかかり,訴訟よりは早い
公正証書の場合は,公証人との予定があえば,最速で1~2日で書面を作成することができます。一方,訴訟となった場合は最短でも2~3か月はかかりますし,相手が争ってくれば解決まで年単位の時間がかかる可能性もります。
この点,即決和解は,当事者の呼び出しや申立書の内容の調査などの時間がかかりますので,およそ1か月程度の時間がかかります。
3 費用が安い
公正証書の場合は,和解する金額にもよりますが1万円から数万円程度の実費がかかります。訴訟に関しても金額によって差ありますが,同じく数万円の実費がかかります。
この点,即決和解は争いになっている金額に関係なく一律2000円の収入印紙と当事者に送達するための郵券代のみとなりますので,3000円あれば十分足りると思います。ただし,弁護士や司法書士の依頼した場合には報酬が別途かかります。
4 管轄が限定される
公正証書については特に管轄はありませんので,全国どこの公証役場でも作成可能です。訴訟に関しては,金銭の支払を求める場合は,債権者または債務者どちらかの住所を管轄する裁判所で行うことができますので,債務者が遠方に住んでいる場合でも,債権者の住所地を管轄する裁判所を選択することもできます。
この点,即決和解に関しては,相手方(通常は債務者)の住所地を管轄する簡易裁判所(140万円以上でも簡裁。)に限定されていますので,債務者が遠方に住んでいる場合は移動が大変かもしれません。
5 債務者に不出頭のペナルティがない
訴訟の場合,理由なく裁判所に出頭せず書面も提出しない場合は,債務者(被告)が言い分をすべて認めたものとして,債権者(原告)が勝訴となる場合がありますので,被告としては無視することなく対応しなければなりません。
この点,即決和解に関しては,万が一出頭しなくても出頭しなかったことに対するペナルティはありませんので,口頭での和解が成立していても,和解直前になって一方的に破棄されるという可能性があります。
以上のように,即決和解には一長一短がありますが,条件が合えば,安価で強力な書面が出来ますので,和解ができそうな場合であれば即決和解という方法もお考えいただいてはいかがでしょうか。
6月 19 2017
最近はあまり見かけなくなりましたが,以前はドラマなどで,「自宅の中に勝手に人が上り込んで,赤い紙などをタンスやテレビなどにペタペタ貼られて差し押さえられてしまう。」なんて描写がありました。
実際にはこんなことはあり得ないのですが,「裁判所の執行官が事前連絡なく家にやってきて,様々なものを差し押さえる。」ということは現実にあり,このような差し押さえを「動産執行」といいます。
今日はこの動産執行について掘り下げて書いてみようと思います。
本サイトの「裁判を始める前と裁判が終わった後にとる手続」のところにも記載しておりますが,自宅内にあるすべての財産を差し押さえることができるわけではなく,「差押禁止財産」という文字どおり差押が禁止されている財産があります(民事執行法131条)。むしろ,実際は原則と例外が逆転しており,大多数が差押ができない財産となっています。以下,差押が禁止されている財産について列挙していきます。
→文字どおりそのままで,食料や灯油などは差し押さえができません。そして,仮に差し押さえができたとしても,食料などは価値が低いため現実的にも差し押さえるメリットはないと思います。
【標準的な世帯の二月間の必要生計費を勘案して政令で定める額の金銭】
ちなみに,現金については,一般家庭というより店舗や事務所などの動産執行の際に差し押さえができる場合があります。以前,過払金の返還事件が多かった時に,とある消費者金融のATM内の現金を差し押さえるということが多くみられました。
【主として自己の労力により農業を営む者の農業に欠くことができない器具、肥料、労役の用に供する家畜及びその飼料並びに次の収穫まで農業を続行するために欠くことができない種子その他これに類する農産物】
→端的に言うと,このようなものが差し押さえられてしまうと,債務者が収入を得る術がなくなってしまいますので,禁止されています。
その他,下記のものも禁止されています。債務者にとってなくてはならないものである反面,債権者としては財産価値がなく差し押さえても現実的な回収ができませんので意味がありません。
また,裁判所によっては,留守だった場合でも執行官が来た旨の書面を入れてくれることもありますが,私が関与させていただいた件では,執行官は留守の場合はそのまま帰ってしまうため,インターホンに画像が残っていない限り,債務者は執行官が来たことに気づきません。とすると,留守だとあまり何の意味も無い手続ということになってしまいます。
本人が在宅している場合,執行官と直接会うこととなりますので,それなりのインパクトがあります。
上記のとおり,多くのケースで動産執行そのものは回収することはかなり難しいと思いますが,執行官が自宅に来たことで,こちらは「本気だ」ということが伝わり,任意の返済が期待できることがあります。実際に,当事務所で関与させていただいた件でも,動産執行自体は不能でしたがその後に本人から連絡があり分割弁済で和解でき、全額回収できたケースもたくさんあります。
執行官から聞いたところによると,留守だった場合だと2000円程度の費用がかかるそうですので,5回訪ねてもらっても1万円程度で済むことから,1度や2度留守だったとしても繰り返し自宅を訪ねてもらった方が良いかもしれません。
ということで,手続きそのものでの回収は難しいですが,かといってまったく無駄ではなく,費用もそれほどかからないので,めぼしい財産が無い場合は動産執行の申立てをするということも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
5月 09 2017
これまでに何度か記載しておりますが,現在の法律ではアパートなどの賃貸借契約においては借主の保護が図られており,軽微な契約違反では強制的に退去させることはできません。
また,賃貸借契約の期間の多くは2年となっておりますが,例え2年の契約期間が満了したとしても,それなりの理由が無い限り契約を終わらせることができないようになっています。
そこで,それを解決する手段として,定期建物賃貸借契約をお勧めしております。先日,強制的に退去させられるほどの事由はないけど,近い将来に退去していただくことで話し合いがまとまり,定期建物賃貸借契約を締結しましたので,この契約に関する注意点などをまとめたいと思います。
文字どおり,決まった期間で賃貸借契約が終了するものとなっており,契約の更新がありません。ただし,改めて契約を締結することはできますので,契約期間が満了しても再契約をすることで事実上更新したのと同じように住み続けていただくことも可能です。
その他,通常の賃貸借契約と異なるのは次のとおりです。
①1年未満の賃貸借契約も可能。
→通常の賃貸借契約だと,1年未満の契約は期間の定めのない賃貸借契約となります。
②借主からの中途解約の特例
→通常の賃貸借契約だと,借主からの中途解約は契約の特約によります。例えば,「退去予定日の1か月前に貸主に通知すれば解約できる」などです。定期建物賃貸借契約でも同じような特約があればそれに従いますが,仮にそのような特約が無かったとしても,転勤や介護などのやむを得ない事情があれば中途解約できることとなっております(借地借家法38条5項)。なお,このやむを得ない事由による中途解約をできないようにする特約は無効となります。
③借賃増減額請求ができない
→通常の賃貸借契約だと,周辺の相場と大きく相違する場合などに貸主または借主が家賃の増減を請求することができますが,定期建物賃貸借契約において互いに家賃の増減を請求することができない旨の特約を設けることで増減額請求を排除することができます。
通常の賃貸借契約と異なる契約であるため,定期建物賃貸借契約を締結し,その効力を生じさせるためにはいくつかの要件を満たす必要があります。
①公正証書による等書面による締結
→「公正証書による等書面」というあまり聞かない用語が出てきますが,端的に言えば書面による契約が必要(口約束は不可)ということになります。
②契約書の中に「契約の更新が無い」旨を記載
→契約の更新が無いことを契約書に書いておかないと当然通常の賃貸借契約になってしまいます。
③契約の更新がないことの説明が必要
→上記②のとおり,契約書の中に更新がないことが書いてあるのは当然ですが,それに加えて契約の更新がないことを説明し,その旨を記載した書面を契約書とは別に渡す必要があります。
④契約終了前の通知が必要
→契約期間が1年以上の場合は,契約が満了する半年前から1年前までの間に,「○月○日をもって契約が終了します」という通知書を送付する必要があります。契約期間が1年未満の場合は通知は不要です。
上記のとおり,定期建物賃貸借契約を締結し,各種の要件を満たすことで契約満了をもって明け渡しを請求することができます。ただし,あくまで法的に明け渡しを請求できるだけであって,契約期間満了後に賃借人が任意に明け渡さない場合は訴訟や強制執行が必要となる可能性はありますのでご注意ください(契約終了と同時に勝手に鍵を変えるなどの強硬手段は執れません。)。
4月 14 2017
先日,民法の債権分野に関する大改正が衆院を通過し,今国会で成立する見込みとなりました。
以下,時事通信社2017年4月12日20時15分配信の記事を引用します。
債権や契約分野の規定を見直す民法改正案が12日の衆院法務委員会で、与党や共産党、日本維新の会の賛成多数で可決された。13日の衆院本会議で可決、参院に送付され、今国会で成立する見通し。「約款」規定の新設などが柱で、3年間の周知期間を経て、2020年をめどに施行される。債権規定の抜本改正は1896(明治29)年に民法が制定されて以来初めて。約120年にわたる社会経済情勢の変化に対応させた。インターネット通販の利用規約などは約款で取引内容を定めるのが一般的で、現行の民法には約款に関する規定がなく、購入後トラブルとなるケースが多い。改正案では、消費者側の「利益を一方的に害する」約款条項は無効とする。
引用終わり
民法自体は,戦後の相続分野の改正や成年後見制度(旧禁治産者)など何度か改正されておりましたが,契約や連帯保証などといった債権分野については120年前に民法が施行されて初めての改正となります。
債権分野の改正は債権回収に直結する部分ですので,少し気が早いですが改正部分について私自身の備忘録の意味も含めてまとめたいと思います。
ちなみに,あくまで衆院を通過しただけですので,正式に改正されたわけではなく,さらに実際に施行されるまでには上記のとおり3年ほどの時間がありますので,すぐに影響が出るものではありません。
今は,一般的な債権(個人間の貸し借り等)は10年,商取引による債権(売掛金等)だと5年が経過すると時効により消滅してしまいます。さらに,債権の種類によっては1年(飲食代・運送費等)だったり3年(工事代金,診療報酬等)だったりと,短期に消滅してしまうものもあります。
このように債権の種類によって時効期間が違うと,いったいいつ債権が消滅するのかわからくなってしまうという弊害があります。
今回の改正によって次のとおり改正されます。
1 債権の種類に関係なく,債権者が権利を行使できることを知った時から5年または知らなくても権利を行使することができるときから10年経過した場合には消滅時効が完成する。ただし,不法行為に基づく損害賠償請求権は知った時から3年または行使できる時から20年であり,さらに生命身体侵害に関するものに限り知った時から5年または行使できるときから20年となります。
不法行為に関する例外があるものの,基本的には知った時から5年または行使できる時から10年で消滅してしまいます。したがって,現行法では1年ないし5年で消滅してしまう債権については債権者にとって有利ということになりますが,当初から10年だったものについては「知った時から5年」に該当してしまうと債権者にとっては不利になってしまいます。なお,「権利を行使できることを知った時」がいつであるかについての立証責任は債務者側にあります。
2 時効の猶予・更新制度が新たにでき,書面で権利について協議する旨の合意をすれば消滅時効の完成が一定期間猶予されるという制度もできました。
まず現行法の時効の停止や中断に関するものが時効の猶予・更新というものに再構築されただけであまり影響はないかと思いますが,権利について協議をしている間は時効の完成を猶予することができる制度が新しくできました。現行法だと,支払い方法などについて話し合いをしているだけでは中断事由には該当しませんでしたので,中断させるためには訴訟を提起するか債務者に債務承認をしてもらう必要がありました。今回新しくできた制度は,話し合い中は時効の完成を一時的に猶予することができるので,時効中断のために訴訟に踏み切らなくてもじっくり話し合いができるというメリットがあります。ただし,いつまでの時効完成が猶予されるというのはおかしいので,最長で1年となっております。
改正によって,保証人のかなり保護が図られております。
1 事業資金の個人保証は原則として公正証書が必要。
保証人になろうとする方は,金融機関と事前に保証契約を締結する前に,保証する意思を公正証書で表明しなければならなくなり,口頭で保証契約の内容を公証人に伝える必要があります。恐ろしくハードルが高いです。
ただし,会社の役員や大株主などが会社の債務を保証する場合はこの限りではありません。また,事業資金ではない場合も関係はありません。
2 根保証の場合の極度額の設定
例えば,賃貸借契約の場合,借主に生じた債務についてすべて保証すると,かなり長期間の間,どれくらいの金額になるのかわからないような保証をすることになります。このような包括的な保証のことを根保証といいます。
改正後については,保証額の上限である「極度額」を必ず定めなければならず,極度額を定めなかった場合は,(根)保証契約自体が無効となってしまいますので注意が必要です。
細かい話になってしまいますが,お金の貸し借りである「金銭消費貸借契約」は,現実的にお金を渡すことが契約の要素となっておりますので,お金を現実的に渡す前に契約書を書いても貸主には「貸す義務」というものは存在しませんでした(現実的にお金を渡していないため,契約自体不成立。)。しかし,改正によって,書面で契約することを条件として現実にお金を渡さなくても合意があれば契約が成立することとなったため,貸主に「貸す義務」が生じるケースがあります。貸すか貸さないか迷っている間に契約書を書いてしまうなんて方はなかなかいらっしゃらないと思いますが,念のため注意です。
建物や土地に関する賃貸借契約について,敷金返還や賃借人の原状回復義務などについてトラブルがあったため明確化されました。
1 敷金について
基本的には判例の考え方が明文化されただけであるため,特に大きな変更はありません。例えば,「敷金の返還時期は明け渡し完了後」だったり,「賃借人の方から敷金を未払い賃料に充当することを請求することはできない」などです。
2 原状回復義務
これまた判例どおりですが,通常損耗や経年劣化によるものはすべて賃貸人負担であり,賃借人の負担とすることはできません。ただし,契約書の特約として賃借人が負担することとなっていればそれは有効ですが,賃借人にしっかり説明し,明確に特約を合意していることが必要となりますのでハードルは相当高いと思います。
他にも改正点はたくさんありますが,債権回収に関係がありそうな部分に絞ってまとめてみました。
今後も新たな情報が入り次第,まとめていきたいと思います。
3月 03 2017
訴訟を提起したとしても,必ずしもすべてが判決になることはなく,他の結論で終わることがあります。この点,稀に勘違いされていらっしゃる方がおみえですので,まとめておきたいと思います。
いったん訴訟を提起したとしても,判決が出て確定するまでは取り下げることが可能です。
訴訟提起前に話し合いをしていた相手方があまりにも強行で和解ができないような状況だったとしても,訴訟を提起することで一転して和解ができることがあります。また,訴訟提起前にはまったく連絡が取れなかったような方でも訴訟を提起したことによって連絡があり,話し合いができる場合があります。
訴訟外で話し合いができ,和解に関する合意ができるようであれば訴訟を取り下げるということもあります。
ただ,訴訟を取り下げてしまうと,和解に関する合意書を作成したとしても執行力がないため,次に記載の訴訟内による和解を選択することが多いです。
当事者が双方とも出廷した場合,簡易裁判所の場合は司法委員という職員が間に入って和解交渉をすることがあります。ここで話し合いがまとまるようであれば,あとは裁判官の面前で和解をして終了となります。
上記の裁判外での和解でも訴訟内での和解でも結局は話し合いによって合意した内容で返済等がされるため,返済等に滞りがなければどちらでも良いのですが,訴訟内で和解が成立した場合は和解調書という書類が作成され,万が一返済等が滞った場合にはこの和解調書に基づいて強制執行を行うことが可能となっています。したがって,債権者の立場としては訴訟内で和解をした方良いということになります。
なお,和解については当事者双方が出廷することが原則となっておりますが,簡易裁判所においては「和解に代わる決定」という制度があり,事前に当事者同士で和解ができているようであれば,その内容を裁判所に伝えることが,どちらか一方の出廷,または双方の出廷が無くても和解と同様の効果のある書面を作成してもらうことができます(民事訴訟法275条の2)。ちなみに,和解に代わる決定において,どちらか一方の出廷が必要なのか双方とも出廷が不要なのかは裁判官や裁判所によって取り扱いが異なるためよくわかりません。例えば,名古屋簡裁や瀬戸簡裁,春日井簡裁などは当事者どちらかの出廷が必要とされることが多いですが,半田簡裁だと双方とも出廷しなくても良いとされることが多いように思います。この和解に代わる決定も和解調書同様,返済等が滞った場合には強制執行を行うことができます。
訴訟内で和解が成立せず,また取下げもしないようであれば最終的には判決になります。昨日も裁判所に出廷しましたが,和解に至ることなく判決となってしまいました。
判決の言い渡しがあり,裁判所から判決書が送達されて2週間以内に控訴されなければ,当該判決は確定しすることとなり,勝訴判決である場合は判決に基づいて強制執行を行うことができます。
なお,多くのケースで「仮執行宣言」が付されており,確定しなくてもすぐに強制執行手続を進めることができます。ちなみに,少額訴訟においては請求を認める判決の場合は必ず仮執行宣言が付されることとなっております(民事訴訟法376条)。
もちろん,判決が出ても必ず強制執行をしなければならないものではなく,判決後に改めて話し合いをして分割弁済で和解するということも可能です。実際に,強制執行をしても回収が難しいケースの場合は判決後に和解して分割で返済してもらっているケースもあります。
以上から,訴訟を行っても必ず判決になるのではなく,和解で解決することがありますし,仮に判決になったとしてもその後に和解することもありますので,訴訟を行ったとしても強制執行までしなければならないケースはそれほどありません。しかし,中にはどうしても支払わない方もいらっしゃいますので,そうすると財産を探し出し強制執行を進めざるを得ません・・・。
1月 19 2017
当事務所のある長久手市において,愛知県司法書士会主催の市民公開講座及び相続相談会が下記のとおり開催されます。
場所 長久手市福祉の家(長久手市前熊下田171番地・地図)
日時 平成29年2月4日(土)10時~15時
なお,下記のチラシには市民公開講座の時間が「午前10時から午後12時」となっておりますが,正確には「午前10時から午前12時(午後0時)」であり,相談会も「午前12時(午後0時)から午後3時」です。14時間も公演したら倒れてしまいます(笑)
お時間のある方はぜひお立ち寄りください<(_ _)>
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